不動産トピックス

新聞記事

外環道地下40メートル超に建設

凍結区間 買収や保証不要

住民の反対で30年以上にわたり建設が凍結されている「東京外郭環状道路(外環道)」の練馬ー世田谷間約16キロについて、国土交通省と東京都は、大深度地下利用法を初適用し、40メートル以上の地下にトンネル方式で建設する案で合意した。近く地元自治体や住民に提示する。同法を適用することで、他の高速道路とのジャンクション部分などを除き、用地買収や補償が不要となり、工期短縮で建設費も2、3割程度の削減を見込んでいる。今回の合意で、外環道の未着工区間は建設に向けた動きが加速するとみられる。
新聞記事-住民の反対で30年以上にわたり建設が凍結されている「東京外郭環状道路(外環道)」の練馬ー世田谷間約16キロ・・・-

国交省と都合意「大深度利用法」初適用

外環道の練馬・大泉-世田谷・用賀間は1966年高架方式での建設が都市計画決定されたが、騒音や大気汚染が深刻化するとして大きな反対運動に発展。70年、当時の建設相が計画を凍結した。しかし、石原都知事が99年12月、地下化の構想を表明、住民らとの間で協議が再開されていた。
今回の合意案は、大深度地下利用法が適用される40メートル以上の地下に、直径13メートルの二車線用のトンネル2本を建設する計画。協議再開に先立ち、国と都が示したたたき台では、地権者への補償が必要となる約20メートルの地下に、直径18メートルの三車線用のトンネル2本とする内容だった。
これに対し、今回合意した案では、1キロ当たりの建設費が2、3割程度削減されて約800億円になると試算。工期も15年から8年程度に短縮されるという。
また、トンネル内に設置する換気所で、排ガスに含まれる粒子状物質などを除去するため、環境対策や渋滞解消にもつながるとしている。
他の道路との接続については、関越、中央、東名の3つの高速道路と接続するジャンクションを作ることを基本とした。
国と都は今月21日、住民や地元自治体が参加する「PI(パブリック・インボルブメント)外環沿線協議会」に提案し、幅広く意見を求めて最終案をまとめたうえで、都市計画の変更手続きを行う予定だ。一方、住民側からは、協議途中の方針変更について、一部反発も予想される。

大深度地下利用法

正式名は「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」。大深度は、地権者が一般的に使わない地表から40~100メートルの地下をいう。過密化した都市部で、道路や鉄道など公益性の高い事業を行う際の"切り札"として、2001年4月に試行された。東京、大阪、名古屋の三大都市圏が対象で、原則として土地所有者の許可や補償が必要ない。事業主体によって使用の許可は国交相か知事が行う。

実売地価を登録・公開

国交省検討 市場透明化は図る(2005年度にも)

国土交通省は12日、土地が実際に売買された価格である実売価格を、全国的に登録し、一般に公開する土地情報開示制度を創設する方針を固め、具体策の検討に入った。諸外国に比べ不透明との批判が強い売買価格を"ガラス張り"にすることで、不動産市場に対する信頼感を高め、土地売買や不動産証券化を促す狙いだ。不良債権化して塩漬けになっている土地の処理促進にもつなげたい考えだ。
国交相の諮問機関、国土審議会の土地政策分科会で検討し、今秋までに制度の大枠を固める。プライバシー保護の観点などから導入には異論もあるが、早ければ2005年度の導入を視野に、検討が進む見通しだ。
土地情報開示制度は、土地の実売価格などを公的な機関に蓄積し、売買の際に参考になるよう、開示する仕組みだ。こうした情報はこれまで売り手側がほぼ独占し、消費者を含めた買い手側は、不利な立場にあった。同制度が実現すれば、取引の実例を参考に、対等な条件での交渉が可能になる。地価が合理的な水準に落ち着くとともに、取引自体も円滑に進む効果が期待される。
国土審議会土地政策分科会では、専門家による土地情報ワーキンググループ(座長・山野目章夫早大教授)で、制度の詳細を議論する。開示対象として、取引価格以外に、土壌汚染や災害危険度、過去の利用履歴などの情報を含めることや、どの機関が情報開示の主体となるか、プライバシー保護とどう両立させるかなどを検討する見通しだ。
このうち、開示の主体については、中立的な第三者機関を設立し、そこに宅地建物取引業者が持つ取引情報を集約する方式が有力視されている。
欧米諸国では、土地の売買価格の情報は、登記所や税務署が公開している。日本では、取引情報が公開されていないことが、不動産市場が活性化しない一因と指摘されている。

不動産証券化

住宅やビルなどの不動産を株式や社債などのような証券の形にして取引すること。証券の持ち主は、不動産からあがる収益を配当などの形で得ることができる。リストラを進める企業が、所有不動産を売却して財務の健全化を図るケースなどで利用が増えている。

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